罪か、それとも愛か
「その程度の覚悟なら、私があなたにしてあげられることは何もない」
冷たく突き放され五嶋は気づく。琴羽さえ手中にできればと考える、自分の中にある“逃げ”という甘えに。
「覚悟…そうか。
俺、沈む船を琴羽に任せて、船はどうでもいいけど乗組員はひとり残さず助けろとか、自分勝手なことばかり言ってるな。
ごめん。
そもそも俺は五嶋にとって不要とされた存在だった。それがさ、今になって社長の傲慢な経営の尻ぬぐいの為、捨て駒に必要とされるなんて。俺の人生って何なんだろ。俺の存在意義って」
琴羽は五嶋の言葉を冷静に受け止めた。五嶋からのプロポーズを悩んでいた琴羽のように、迷い悩む彼には見えなくなっている。
本当に大事なものが他にあるはずなのに。
「五嶋くんが守りたいのは、プライド?家名?違うよね?五嶋商事で働く従業員の生活なんでしょう?」
そう問われ、悩むことなく五嶋は即答する。
「俺はもとの吉田姓に戻ったっていい。五嶋家のプライドなんて持ち合わせてないから。
そう、俺が守りたいのはあそこで働く従業員とその家族の生活。
アメリカで働いてた俺にすごく良くしてくれた。まぁ、腫れ物に触るような扱いも受けたけど、今後の俺の人生に役に立ててほしいって、自分のスキルを惜しみなく教えてくれる大親友がいた。
仕事にやりがいを見い出していて、商社マンとしての仕事に誇りをもっていた。
こんな俺にたっぷりの愛情をくれた、大切な人もいた。
……そうだよ、俺は一成と鈴子を守りたいんだ。守らなきゃ。そして、あの日の先へ時計を進めるんだ」
やっと目が覚めたように、五嶋の目にみるみる力が宿っていく。
冷たく突き放され五嶋は気づく。琴羽さえ手中にできればと考える、自分の中にある“逃げ”という甘えに。
「覚悟…そうか。
俺、沈む船を琴羽に任せて、船はどうでもいいけど乗組員はひとり残さず助けろとか、自分勝手なことばかり言ってるな。
ごめん。
そもそも俺は五嶋にとって不要とされた存在だった。それがさ、今になって社長の傲慢な経営の尻ぬぐいの為、捨て駒に必要とされるなんて。俺の人生って何なんだろ。俺の存在意義って」
琴羽は五嶋の言葉を冷静に受け止めた。五嶋からのプロポーズを悩んでいた琴羽のように、迷い悩む彼には見えなくなっている。
本当に大事なものが他にあるはずなのに。
「五嶋くんが守りたいのは、プライド?家名?違うよね?五嶋商事で働く従業員の生活なんでしょう?」
そう問われ、悩むことなく五嶋は即答する。
「俺はもとの吉田姓に戻ったっていい。五嶋家のプライドなんて持ち合わせてないから。
そう、俺が守りたいのはあそこで働く従業員とその家族の生活。
アメリカで働いてた俺にすごく良くしてくれた。まぁ、腫れ物に触るような扱いも受けたけど、今後の俺の人生に役に立ててほしいって、自分のスキルを惜しみなく教えてくれる大親友がいた。
仕事にやりがいを見い出していて、商社マンとしての仕事に誇りをもっていた。
こんな俺にたっぷりの愛情をくれた、大切な人もいた。
……そうだよ、俺は一成と鈴子を守りたいんだ。守らなきゃ。そして、あの日の先へ時計を進めるんだ」
やっと目が覚めたように、五嶋の目にみるみる力が宿っていく。