罪か、それとも愛か

未来を生きる形


琴羽29歳の春。

水上家は急に騒がしくなった。
夏姫がこの春から光英大学病院に勤めることになったのだ。これも琴羽が妊娠した時の布石。母のいない琴羽にとって、助けてくれる手はいくつあってもいい。

「こーとーはー!!!会いたかった!!」

「夏姫ほんとにいいの?こっちに戻ってきたりして。光英大学病院には勤めたくないんじゃなかったの?」

「琴羽がお兄ちゃんと、なんて聞いたら戻って来るしかないじゃない。最高すぎるもん!
大阪でバッチリ修行してきたし、赤ちゃんのことなら任せて。私、小児科も産婦人科も経験済みだから!どーんと大船に乗ったつもりで」

「まぁ、頼もしいこと。夏姫の取り柄は体力だけじゃなかったのね」

「もう、おかーさん!」

大きな笑いが起きる。

「琴羽ちゃん、みんなで全力サポートするから。準備は万全よ。何の心配もいらない。
でも、慌てることもないし、自然に任せましょ」

「柊子さん、ご迷惑をおかけします。夏姫も、よろしくね」


入籍はしない。
戸籍上の家族ではないのに、水上家の全員が琴羽の意思を尊重してくれた上で協力してくれる。甘えさせてもらい、感謝しかない。



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