罪か、それとも愛か
「じゃあさ、私、コンビニで待ってる。
冬輝、愛紗ちゃん駅まで送ったらコンビニに来て。それまでにアイス選んでおくね」


コンビニから駅は、目と鼻の先だ。


琴羽は知っている。冬輝は琴羽のお願いを決して断らない。たとえ相手がカノジョでも、琴羽と夏姫のことを最優先にしてくれる。

愛紗が言っていたとおり、彼の一番は夏姫と琴羽だから。
小さい時から忙しい親達のせいで寂しくさせない為に、妹たちを第一に考えてくれる。
それが、水上冬輝なのだ。

「それなら、疲れて帰ってくる母さん達の分も買って行くか。琴羽が選ぶなら間違いないし」
「冬輝、センスないもんね。リクエストしたもの以外はいつもおんなじバニラアイスばっかりだし。
じゃ、私ひと足先にコンビニ行って選んでる。愛紗ちゃん、じゃあね」

有無を言わせず、琴羽は走って一足先にコンビニへ。
少し遅れて、コンビニの前を通り過ぎる冬輝と愛紗の姿が目に入った。

愛紗と目が合う。琴羽は、ニッコリ微笑んで手を振る。愛紗も手を振ってみせたが、やはり目は笑っていない。

ーー必死だなぁ。冬輝を取られるんじゃないかって、威嚇して。

なんだか、必死さがかわいそうにも思える。
カノジョとはカレシを繋ぎ止めたいとあんなに必死になるものなのか。
琴羽には理解できなかった。


< 24 / 252 >

この作品をシェア

pagetop