罪か、それとも愛か
「琴羽」
アイスの並ぶ冷凍ケースの前でぼんやりしていると、いつの間にか冬輝が来ていた。
「早くない?ちゃんと愛紗ちゃんと別れを惜しんできた?」
「なんだよ、それ。今生の別れでもあるまいし。アイス、選んだのか?」
「うん。これ」
人数分のアイスをカゴに入れて冬輝に渡す。
冬輝が会計を済ませている間に、琴羽はコンビニを出た。
夜の空気は澄んでいた。
ひとけの無い住宅街は、音もなくひっそりとしている。
その静けさに包まれていると、不思議ともの悲しい気持ちが湧き上がり、胸の中をざわつかせた。
「琴羽、帰るぞ」
そこへ冬輝がビニール袋いっぱいのアイスを手にコンビニから出てきた。
冬輝の姿を見たとたん、琴羽の胸を占領していたわけのわからない悲しい気持ちがふっと消える。
ホッとしながら冬輝と一緒に並んで歩き出した。