罪か、それとも愛か
そして父の言葉は、心を凍らせた琴羽には届かない。


ーー神様。
罪を犯したのは私なのに、どうして冬輝に罰を与えるのでしょう。
それとも、冬輝を失うことが私への罰なのでしょうか。
彼は、私に人生を狂わされた被害者です。
彼は幸せになるべき人です。

神様、罰は私だけにお与え下さい。
命が欲しいなら、私の命を奪って下さい。私は彼のためならどうなっても構わない。

お願い、彼を連れて行かないで下さい。

もう二度大切な人を永遠に失いたくないです。

彼ともっと話がしたい。
笑ったり泣いたり、今までの人生、一緒に多くの時を過ごしてきました。私の思い出にはいつでも彼がそばにいます。

彼がいなければ私はどうやって生きていけばいいのでしょう。

私がいつでも機械のように正確で、強くて、冷静で、誰より頼られる『一条琴羽』でいられなくなるから、愛という感情は捨てて生きていくつもりだったのに。

冬輝がいなければ、そもそも生きていけない。

これがきっと愛という感情。私はあなたに執着して、溺れてしまった。
これほどの想いはもはや罪だ。もう冬輝が離れることに耐えらない。彼を自分に縛り付けていたい。
いつしか、私は新たな罪を背負っていた。
自分の本心に気づかないふりして、それなのに執着心むき出しで冬輝を誰にも渡したくないなんて、どれほど醜いのだろう。

ごめん、冬輝。私はあなたがいないとダメだってやっと気づいた。

あなたを、愛してる。

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