罪か、それとも愛か
「琴羽まで忙しいのにごめんな、騒がせて。
花音ちゃんには会ってきたか?」
琴羽は冬輝のセーターの胸元をぎゅっと掴んだ。グイっと自分のほうに冬輝の顔を引き寄せる。
彼のいつもと変わらぬ穏やかな表情に、琴羽の中の何かがプツンと切れた。
「冬輝、あのね、私は冬輝の家族じゃないの。冬輝にもしものことがあっても連絡は来ないし、病院に入れてもらうこともできないの。
私は、他人なのよ」
「え?急になんだよ、そんな寂しいこと言わないでくれよ」
「寂しい?それが現実なの。ご家族を呼ぶような場面に私はいないんだから。だから…」
ーー私より先に死んだりしないで。
心の底からの願いを口にした瞬間、琴羽のずっと張りつめていた気持ちがフッと緩んだ。
途端に体から力が抜ける。
「あ、おい、琴羽」
地面に吸い寄せられるような感覚。だけど力を失った体は、ぐっと抱き寄せられたような気がする。
ーー冬輝。どこにも行かないで。あなたのいない世界では生きていけない。
そう言いたかった。声にする力も出ない。彼が琴羽の言葉を受けてどんな顔をしているかも見えない。
怒ってる?困ってる?無事でよかったって、可愛く言えたらよかったのに。
ごめんね、冬輝……
花音ちゃんには会ってきたか?」
琴羽は冬輝のセーターの胸元をぎゅっと掴んだ。グイっと自分のほうに冬輝の顔を引き寄せる。
彼のいつもと変わらぬ穏やかな表情に、琴羽の中の何かがプツンと切れた。
「冬輝、あのね、私は冬輝の家族じゃないの。冬輝にもしものことがあっても連絡は来ないし、病院に入れてもらうこともできないの。
私は、他人なのよ」
「え?急になんだよ、そんな寂しいこと言わないでくれよ」
「寂しい?それが現実なの。ご家族を呼ぶような場面に私はいないんだから。だから…」
ーー私より先に死んだりしないで。
心の底からの願いを口にした瞬間、琴羽のずっと張りつめていた気持ちがフッと緩んだ。
途端に体から力が抜ける。
「あ、おい、琴羽」
地面に吸い寄せられるような感覚。だけど力を失った体は、ぐっと抱き寄せられたような気がする。
ーー冬輝。どこにも行かないで。あなたのいない世界では生きていけない。
そう言いたかった。声にする力も出ない。彼が琴羽の言葉を受けてどんな顔をしているかも見えない。
怒ってる?困ってる?無事でよかったって、可愛く言えたらよかったのに。
ごめんね、冬輝……