罪か、それとも愛か
この気持ちは恋や愛なんてものじゃないと思っていた。
だけど、今の私はあなたを自分一人のものにしたいと執着して、溺れている。
それほどの想いはもはや罪だと思っていた。
でも、これが愛なのだ。

愛に溺れて、私が私でなくなってしまう。

でも、こんな私も悪くないと思う。

仕事での私は、いつでも機械のように正確で、強くて、冷静で、誰より頼られる存在でいたい。
でも、ずっと緊張感を保つことは無理だ。
凍った心は、些細な衝撃で壊れてしまう。


「冬輝。
あなたを失えば私は終わる。
自分を失わないために、未来を生きる為に。
……愛してる。名実ともにあなたの『家族』になりたい」

「…琴羽」

初めてはっきりと言葉にした琴羽の告白に、冬輝は一瞬頭が真っ白になった。

「花音が結婚して、子供も生まれた。私も肩の荷が降りた。
そろそろ自分の人生、新たなステージに立っていいかな。
私は冬輝の名前の隣に『妻』として並びたい。もしもの事態が起きたとき、誰よりも早く連絡がくる相手になりたい、というか、えっと……」

冬輝が何もいわずに固まっている様子に、琴羽は慌てていいわけする。

「今さらだよね。急に、ごめん。
今日は疲れた。もう寝るわ」

こんな冬輝をみるのは、入籍せずにパートナーになろうと話し合った時以来だ。
困らせてしまったことに反省して、琴羽は冬輝から離れようとした。

だが。次の瞬間。琴羽は息もできないくらい強く抱きしめられた。


「プロポーズは俺からさせて。
結婚しよう。……琴羽、愛してる」


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