罪か、それとも愛か
その時だった。

琴羽のカバンの中でスマホが鳴った。

「琴羽、鳴ってる」
「ママだよ、きっと。たぶん、また遅くなるんだ。今日も夏姫の家で夕飯かな」

琴羽はカバンからスマホを取り出す。だが、着信画面の表示は母ではなく、父だった。

「もしもし?パパ?」


『琴羽……。ママが。
ママが、亡くなった』



電話の画面に表示されたのは、父の名前。
聞こえた声も、確かに父の声。
でも、その声が伝えた内容は、琴羽に理解できるものでは、なかった。
< 36 / 252 >

この作品をシェア

pagetop