罪か、それとも愛か
ーーママが、亡くなった?
亡くなったってどういうこと?
死んだ、ってこと?
今朝もいつも通りに見送ってくれた。おかしな様子はなかった、と思う。
イライラして家を出た琴羽は母をキチンと見なかったから、あまり自信は無いが。
耳に届いた父の言葉が信じられない。理解できない。
それでも、スマホを持つ手が小さく震えてくる。
「琴羽、どうしたの?」
夏姫が、琴羽の異変にすぐ気づいた。
「わかんない。パパが…なんか変なこと言ってる。ママが、死んだって…」
「えっ!?」
その時、夏姫のスマホも鳴った。
「あ、お母さん。うん、琴羽一緒にいるよ。琴羽のうちで宿題してる。
……本当なの?
……わかった。お兄ちゃん来るまで待ってる」
電話を切って琴羽を見る夏姫の目から、ポロポロと涙が溢れていた。
「琴羽、これからお兄ちゃんが迎えに来てくれるって。そしたら、一緒に病院に行こう」