罪か、それとも愛か






顔に被せられた布を、そっと取る。
母は、静かに眠っていた。


「ママ…?」


声をかけてみる。


「ねぇ、ママ、起きて」

今にも開きそうなまぶたは、閉じたまま。



そっと触れた母の頬は、冷たかった。

いつも『琴羽』と愛情たっぷりに呼んでくれる母の唇は血の気がなく、やはり冷たく閉じていた。



驚くほどに冷たく、硬かった。


そこに、『死』を感じた。




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