罪か、それとも愛か

柊子が流れる涙もそのままに、琴羽が乱したまことの姿を整えてくれる。

柊子はまこととずっと一緒に仕事をしてきて、プライベートでも大親友だった。
そんな柊子の隣で床に膝をついたまま、洸平も泣いている。
夏姫は琴羽に抱きついたまま大号泣していた。


「夏姫みたいに可愛いお弁当がうらやましかった。
ママ、いつも煮物とか魚の茶色ばっかり。今日の朝もそれで文句を言って。それでもママ、笑顔で見送ってくれたのに」


ーー行ってらっしゃい、琴羽。気をつけてね。


元気な母の声が頭の中でリフレインしてる。


「私は冷凍食品に頼ってしまうけど、まこと先生は手作りにこだわってた。どんなに忙しくても、栄養バランス考えて手を抜かなかった。食べることは生きること。体を作るのは食事だからって。
琴羽ちゃんのお弁当は絶対に自分が作るんだって」

そんなこと、知っていた。母は人一倍体に気をつけていた。それなのに。

もう取り返しがつかない。こんな唐突なお別れだなんて。
しかもあんな悲しそうな顔が、最後に見た母の顔だなんて。


ーー私は、なんて罪深い娘なのだろう。


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