罪か、それとも愛か
「すぐに行かなくちゃ。たっくん達、物の場所もわからないと思うから」

琴羽は自分のベッドに降ろされたが、すぐに起きあがろうとした。
だが体が異常に寒くて震えが止まらず、ベッドに寄りかかるように座る。

「大丈夫よ、琴羽。私が手伝ってくるから。琴羽はゆっくり休んで」

そう言って夏姫が出て行った。夏姫は普段から一条家に入り浸っており、物の場所はよく知っている。夏姫に任せておけば大丈夫だ。


「飲み物でも用意するよ。寝てろ」

夏姫に続いて冬輝も部屋を出て行こうとした。


ーー冬輝が出て行ったら、一人になる。


それがとてつもなく、怖かった。

「待って冬輝、一人にしないで!」

琴羽は立ち去りかけた冬輝の腕を掴む。

「飲み物なんていらないから。お願い、一人にしないで…。ここにいて。怖い…」

いつも毅然として、人に弱みを見せたり甘えることなどしない琴羽が、震えて潤んだ瞳で冬輝にしがみついていた。

「怖いの、冬輝。『死』が怖い。眠ってるのとは違って冷たくて白くて…。
あるのは、『無』だけだった」
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