罪か、それとも愛か
ーーとんでもないことをしてしまった。
兄妹のように育った琴羽と……


だが、不思議と後悔はない。
触れるほどに温もりを取り戻していく様子が愛おしくて。他の男に奪われるくらいならこれでよかったと思った。

それに。
冬輝自身、我を忘れるほど興奮した。

今まで愛紗に求められるまま、なんとなく体を重ねてきたのは何だったのだろうと思うほどだ。

愛紗とはそのうち恋愛感情も生まれるかとも思ったが、いまだにその兆候すらない。正直、別れたいと思っているくらいだ。
それでも付き合っているからには、他の女の子を抱けばそれは浮気になり、裏切り行為として倫理に反する『罪』になるだろう。


冬輝は目を閉じる。
静けさの中、琴羽の息づかいを思い出した。

琴羽にもっと触れていたい。
この腕の中に閉じ込めて、何度も何度も抱きたい。そう思っている自分がいることに、驚く。

自分は性に関して淡白だと思っていた。
それなのにこれほど琴羽に欲情するなんて。
こんなに自分が浅ましい男だったとは知らなかった。情けない。

あれは、ただ一度の秘密。生きていることを互いの体に刻み込み、琴羽が大人になる為の儀式のようなもの。


とりあえずシャワーを浴びることにした。
いつまでも残る、罪の行為の名残を洗い流してしまわないことには、何も出来そうになかった……








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