罪か、それとも愛か

三つめの罪(母の望んだ医師の道を諦めた)



母の葬儀が終わると、琴羽は父と二人きりの生活になった。

翔太はまことの抜けた穴を埋める為、今まで以上に忙しい日々を過ごしていた。

琴羽は母のいない寒々しい家で一人でいることに耐えられず、水上家に上がり込むことが多くなった。
夏姫と一緒に下校し、水上家で夕食を食べて、冬輝に送られて自宅に戻る。
そんな日々を送っていた。


「今日も、美味しかった!柊子さん、ありがとう」


ニコニコといつもと変わらない笑顔を見せる琴羽に、柊子は大きくうなづいた。


「よかった!私、明日は夜勤だから、冬輝が夕飯当番よ。食べたい物、リクエストしてね。
琴羽ちゃん、あんまり遅くまで根を詰めて勉強しちゃダメよ。体を壊したら元も子もないから。
冬輝、お願いね」


冬輝は予備校へ行く気力が出なくなった琴羽の勉強を見てくれた。
琴羽が受験勉強で机に向かっている間、冬輝もそのかたわらでパソコンを使ってレポート作成をしたり、自分の勉強をしつつ、琴羽のサポートをしてくれた。


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