罪か、それとも愛か
彼を欲するのは、彼を利用したいから。
強くあらねばならない私が、わずかに残した脆弱な己を認め、表に出てこないようにするために彼を利用したいから。


でも、彼の気持ちは?

彼はなぜ、私の欲するままにそばにいてくれるのだろう。
優しいから?腐れ縁だから?

たぶん、彼も抜け出せずにいるのかもしれない。琴羽が生まれたときから続く、この馴れ合いの関係から。

一つ確実なのは、彼を失えば私は終わるということ。
かろうじて、人としての心を保つ為に大事な儀式をするだけの、相手。
自分を失わないために、未来を生きる為に。

だから、今日も、罪の意識に背を向ける。

二人で溶け合うように体を重ねることで、私はまた明日も生きられるのだから。

< 74 / 252 >

この作品をシェア

pagetop