罪か、それとも愛か
「…愛紗ちゃん」


声を出せば、息は真っ白だ。
訪問者……愛紗が、ゆっくりと振り返る。その顔には、不安がありありと浮かんでいた。


「おはよう、琴羽ちゃん」

「どうしたの、早いね。たぶん、冬輝まだ寝てるよ?約束あるの?」

「あ、ううん。約束はしてないの。
…約束どころか、最近はメールの返信もなくて。既読すらつかないし。電話にも出てくれないの。
大学は校舎が違うから見つけられないし。
水上くんに確実に会いたいなら、朝しかないって思ったら来ちゃった」

「…すごい行動力。愛紗ちゃん、本当に冬輝のことが好きなんだね」

「そうなの。私、水上くんが大好き」


愛紗がはにかんだ笑顔を見せる。
いつからここにいたのだろう、寒さで鼻の頭が赤くなり、体も震えているようだ。


こんなに人を好きになれる愛紗が、ちょっと羨ましい。

そして同時に、これほど愛されている冬輝の時間も体も自分が借りてしまっていることに、罪悪感が募った。


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