罪か、それとも愛か
勝手知ったる水上家。2階の角部屋が冬輝の部屋だ。

「冬輝?」

コンコンとノックして、琴羽は冬輝の部屋のドアを開けた。

カーテンが朝の日差しを遮って薄暗い中、冬輝はベッドで毛布にくるまりながら眠っていた。

「冬輝」

琴羽はベッドに歩み寄り、そっと冬輝の体を揺すった。

「…琴羽!どうした⁉︎」

思いもかけない琴羽の姿に、冬輝が飛び起きる。
寝ぼけながらも、琴羽の腕を掴んで自分の方に引きぎゅっと抱きしめた。

「大丈夫か、何かあったのか」
「ちょっ、苦しいよ冬輝」

いきなり力一杯抱きしめられて、琴羽も驚いた。

「あぁ、悪い。琴羽がこんな朝から俺のとこに来るなんて、よっぽど悲しい夢でも見たかと思ったよ」

心配してくれている。そのことが、嬉しい。

「私は大丈夫よ。
違うの。実は、愛紗ちゃんが外に来てるの。
冬輝、愛紗ちゃんからのメールも着信も返さないんだって?不安になってるみたい」

「え、マジか?こんな朝っぱらから?何考えてるんだ、アイツ。人の迷惑考えないのか」

あからさまに迷惑だとしかめた顔は、先程の柊子の顔によく似ていて、親子だなと思う。

「水上家の朝は戦場だから、うちに連れて来なよ。パパ、今日も帰ってきてないし静かだから」

「いいよ。玄関で追い返すから」

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