罪か、それとも愛か


「琴羽ちゃん、朝ごはん食べてくでしょ」

その頃、琴羽は水上家のキッチンに顔を出していた。

「ううん、大丈夫。うちにバナナがある。パパ帰ってこないから痛んじゃう前に私が食べなきゃ。
柊子さん今日、お仕事でしょ?パパの着替えを用意しておくから、持って行ってくれる?」

「もちろんよ。本当は翔太先生にもっと家に帰りなさいって言いたいところだけど。
…まこと先生の代わりは、翔太先生にしかできないの。琴羽ちゃん、寂しいでしょ?」

「全然平気。勉強に集中できるから。
パパ、邪魔ばっかりするんだもん」

いつもと変わらぬ笑顔を見せる琴羽に、柊子は胸が痛む。母を亡くし、父もそばにいられなくて、寂しくないはずがない。
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