罪か、それとも愛か


忙しい父に相談することが出来ないまま、琴羽は一条拓人の卒業した慶長大学経営学部を受験した。

そして。

「ごめん、パパ。私、やっぱり、医師にはならない。私はママやパパみたいに、真摯に患者と向き合えない。それに、医学はママを救えなかった。そのことが学ぶ意欲を削いでしまった。
これからは一条の人間としてたっくんの元で学んで、いつかたっくんの跡を継ぐ花音を支えられるようになりたいって思ってる」


慶長大学の合格通知を手に、琴羽は父に言った。


「…いいよ。琴羽の人生だ。やりたいことをやればいい。
羨ましいくらいさ。今の俺には、いまさら他の仕事をする選択肢はないからなぁ。ま、仕方ない。まことの分まで頑張らないと」

父はアッサリとみとめてくれた。

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