罪か、それとも愛か
見守る瞳
琴羽が帰宅したのは22時を過ぎた頃だった。
自宅は、暗くなるとセンサーで灯りが付く門灯だけが光っていた。
真っ暗で静かな屋敷に開錠の音がガチャ、と響く。
琴羽は、一つずつ電気をつけて屋敷に息を吹き込む。ひっそりと家人の帰りを待っていた屋敷は、色を取り戻していく。
だが、寒々しさは残る。音が、声がない。琴羽以外の“生”がどこにもない。無機質な“物”だけ。
真っ直ぐに自分の部屋に向かう。
部屋の明かりをつけ、荷物を投げ出し、ベッドへと倒れ込んだ。
体の疲労はピークだ。だから、この静けさでも眠ることができる。
だけど。
このいい知れぬ不安と寂しさは、琴羽の心を確実に蝕んでいる。
今までだって両親は忙しく、家に帰れない日も多かった。一人での留守番なんて慣れている。
ただそれは、必ず二人が帰ってきてくれるとわかっていたから。
母はもう帰らない。母の温もりも、うっとおしいくらい与えてくれた愛情も、もう二度と戻らない。
琴羽だけに向けられた、母の愛が今は恋しい。
一条拓人もいぶきも琴羽を可愛がってくれるし、心配してくれる。花音は姉妹のように慕ってくれる。
琴羽は決して一人じゃないし、皆の優しさもわかっている。
だけど。
ひとりぼっちの夜は、無性に母が恋しい。
自宅は、暗くなるとセンサーで灯りが付く門灯だけが光っていた。
真っ暗で静かな屋敷に開錠の音がガチャ、と響く。
琴羽は、一つずつ電気をつけて屋敷に息を吹き込む。ひっそりと家人の帰りを待っていた屋敷は、色を取り戻していく。
だが、寒々しさは残る。音が、声がない。琴羽以外の“生”がどこにもない。無機質な“物”だけ。
真っ直ぐに自分の部屋に向かう。
部屋の明かりをつけ、荷物を投げ出し、ベッドへと倒れ込んだ。
体の疲労はピークだ。だから、この静けさでも眠ることができる。
だけど。
このいい知れぬ不安と寂しさは、琴羽の心を確実に蝕んでいる。
今までだって両親は忙しく、家に帰れない日も多かった。一人での留守番なんて慣れている。
ただそれは、必ず二人が帰ってきてくれるとわかっていたから。
母はもう帰らない。母の温もりも、うっとおしいくらい与えてくれた愛情も、もう二度と戻らない。
琴羽だけに向けられた、母の愛が今は恋しい。
一条拓人もいぶきも琴羽を可愛がってくれるし、心配してくれる。花音は姉妹のように慕ってくれる。
琴羽は決して一人じゃないし、皆の優しさもわかっている。
だけど。
ひとりぼっちの夜は、無性に母が恋しい。