今夜はずっと、離してあげない。





「……はあああああ」




憂鬱だ。とても、憂鬱だ。

まさか、こんなに家に帰ることが憂鬱になることが二度もあるとは思わなかった。




『ちょ、え、調達ってどうやって?!』

『仲良い男子を誘えばいいの!千住くんとか!』




そりゃ、仲はいい……あれ?仲良いのかな?

千井とは仲がいいとは思うけど……千住サマとはどうなんだろう?


仲がいいと言うよりは、お世話されてるだけだし……。




「はああああ……」

「ため息ついてどうした」

「いやあ、ちょっと困ったことが……、っ?!?!」




かけられた言葉に、時間差で飛び退いた。


いつのまにか、隣に千住サマが出没していて驚かない人はいないと思う。




「ち、ちちちちちずみサマ、いつから?!」

「いつからって……お前がデカいため息ついてた時から?」



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