今夜はずっと、離してあげない。
ほどなくして那吏とも出会い、その2人といることが増えた。
反比例して、家に帰る回数は減った。
夏休みに入ると、千井がオススメの髪色を紹介してきたので、髪をくすんだ黒色から、銀色に染めた。
それに影響されたのか、女子に告白されたり、絡まれたりすることも増えた。
適当に流したり、受けたりしたことで、女たらしだとか、不良だとか言われるようになった。
どうでもよかった。
その噂がまたまた影響したのか、本物の不良に絡まれることも増えた。
面倒だったので、逃げたり、テキトーに相手をしていたりした。
その日も、そんなくだらない日々だった。
退屈で、色のない、無彩色の日になるはずだった。
……なのに。
「こーら。何やってるのかな?3組の千住伽夜クン」
遅刻したからサボろうとして、上級生に喧嘩を売られた時。
彼女──────養護教諭の氷高あかねは、唐突に現れた。