意識して、すきにして、


「なんだ、残念」


……っえ、空耳?


いまなんか、かやの声で、囁きが聞こえた。


幻が聞こえるレベルまで、欲があったとは。


「おれのこと、意識すればいいのに」

「……してる、けど」


これ、幻聴じゃないな。気がついたのは、口をついてでてしまってから。


あ、と思って口を押さえても、もう、遅くて。


逃げ道、なくしちゃったや。


幻だったら、縋ってもいいかなと。かやにすきって言ってしまおうかと。思ったんだ。


本物だったんだね。


ああ、どうしよう。


かやの目、本気だ。


「は?」


声と行動がまるであってないよ、かや。


勢いよく顔を上げたかや。


冷たい声の、かや。

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