意識して、すきにして、
「かや」
「……なんすか」
呼んだら、不服そうに眉を寄せるくせして。
「髪、ほどいてもい?」
くちもとを隠しちゃうのは、ずるくない?
どかしたら、どんな顔してるの。ねぇってば、かや。
「すきにすればいいじゃん」
許しを得たとして、彼のハーフアップの頂上に触れた。
ゆっくり、丁寧に、ほどいて。
少し硬くて、少し暗くて、結構サラサラな髪を。指のあいだどうしでながす。
手を離すと、結んでいた部分が横にひろがった。ふわりと舞った、癖づいた部分。シルエットのかさを増している。
そばにあるカバンを引き寄せ、中から取り出した袋。ラッピングは、もう剥いでしまおう。
だってかやだもん。
これをラッピングごとプレゼントするよりも、結んでしまったほうが、きっと喜ぶ。