あやかしあやなし
思いもよらない返しだったのだろう、鬼っ子はきょとんとした後、戸惑う表情になった。
「え? だ、だって、惟道はここの皆のこと信用してるでしょ。あんな、れっきとした陰陽師とも友達だし、仲間が大勢いるじゃない」
「仲間かどうかは、よぅわからぬが。物の怪は、人よりはっきりしておるから付き合いやすいのは確かだ」
能面のまま惟道が言うと、途端に隣の部屋(惟道たちが寝ていた部屋)から物の怪たちが転がり出てきた。そして惟道の周りで何事か訴えている。どうやら、仲間だ、と言っているようだ。先の惟道の『仲間かどうかわからん』と言った言葉に反応しているのだろう。
「何で惟道は、そんなに物の怪に好かれるのさ」
くしゃ、と鬼っ子の顔が歪み、泣き顔になる。
「惟道なんて、ただの人間じゃないか。姿かたちも、どこもおかしなところはない。なのに異形なおいらよりも物の怪に好かれるなんておかしいよ」
ぐしぐしと泣きながら言う鬼っ子に、和尚は微妙な顔になった。
「……むしろおぬしのほうが、惟道よりも人っぽいと思うがなぁ」
顎髭をしごきながら和尚が言うと、周りの物の怪たちが大きく頷く。
『和尚、こいつは人でないの?』
『惟道の敵なの?』
物の怪たちが、じろりと鬼っ子を見て口々に言う。和尚はそんな物の怪たちに問うてみた。
「おぬしたちから見て、この者はどんな感じじゃ? 人か? 物の怪か?」
問われた物の怪たちは、鬼っ子を見て首を傾げる。
『人でないの?』
『でもさして妖気もないよ』
『物の怪にも見えないよ』
「ふむ。では惟道はどうじゃ?」
続けて問うた和尚に、物の怪たちの視線が惟道に移る。
『物の怪っぽい人だよ』
うんうん、と全員が頷く。苦笑いしつつ、和尚は己を指差した。
「では、わしも物の怪っぽい人ということかの」
『違うよー! 和尚さんは人だよー』
『物の怪っぽくはないよー』
「え? だ、だって、惟道はここの皆のこと信用してるでしょ。あんな、れっきとした陰陽師とも友達だし、仲間が大勢いるじゃない」
「仲間かどうかは、よぅわからぬが。物の怪は、人よりはっきりしておるから付き合いやすいのは確かだ」
能面のまま惟道が言うと、途端に隣の部屋(惟道たちが寝ていた部屋)から物の怪たちが転がり出てきた。そして惟道の周りで何事か訴えている。どうやら、仲間だ、と言っているようだ。先の惟道の『仲間かどうかわからん』と言った言葉に反応しているのだろう。
「何で惟道は、そんなに物の怪に好かれるのさ」
くしゃ、と鬼っ子の顔が歪み、泣き顔になる。
「惟道なんて、ただの人間じゃないか。姿かたちも、どこもおかしなところはない。なのに異形なおいらよりも物の怪に好かれるなんておかしいよ」
ぐしぐしと泣きながら言う鬼っ子に、和尚は微妙な顔になった。
「……むしろおぬしのほうが、惟道よりも人っぽいと思うがなぁ」
顎髭をしごきながら和尚が言うと、周りの物の怪たちが大きく頷く。
『和尚、こいつは人でないの?』
『惟道の敵なの?』
物の怪たちが、じろりと鬼っ子を見て口々に言う。和尚はそんな物の怪たちに問うてみた。
「おぬしたちから見て、この者はどんな感じじゃ? 人か? 物の怪か?」
問われた物の怪たちは、鬼っ子を見て首を傾げる。
『人でないの?』
『でもさして妖気もないよ』
『物の怪にも見えないよ』
「ふむ。では惟道はどうじゃ?」
続けて問うた和尚に、物の怪たちの視線が惟道に移る。
『物の怪っぽい人だよ』
うんうん、と全員が頷く。苦笑いしつつ、和尚は己を指差した。
「では、わしも物の怪っぽい人ということかの」
『違うよー! 和尚さんは人だよー』
『物の怪っぽくはないよー』