あやかしあやなし
 次の日の早暁、惟道は小丸と鬼っ子を連れて庵を出た。

「さてさて。もう京の物の怪狩りの罠は大分なくなってると言うし、火鼠の親父にでも頼んで一気に行く?」

 きょろ、と辺りを探す小丸に、惟道は首を振った。

「京の中はなくなっていても、外はまだわからぬ。用心したほうがいい」

「えー、普通に歩いたら遅いじゃん。式も飛んで来れたんだし、大丈夫だよ」

「式は物の怪ではない。元々あの罠にはかからんだろう」

「そうだけども〜」

 不満そうにしながらも、小丸はぶらぶら歩き出す。

「ちんたら歩いて行ったらくたびれちゃうよ」

「俺たちを乗せて走ったほうが、火鼠がくたびれるだろう」

 言いつつすたすたと歩く惟道を、小丸はちらりと見た。にやりと笑い、すぐに楽しそうに惟道に並ぶ。

「ほんっと惟道は、人以外には優しいよね〜」

「そうかの」

 特に表情を変えることなく言う惟道を、鬼っ子は相変わらず複雑な顔で見た。
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