あやかしあやなし
「え、何だって?」
思わず章親が思い切り後ずさる。鬼、と聞くとどうしても以前散々な目に遭った人食い鬼のことが頭にあるため、恐怖が先に立つ。だが惟道は少し訝しそうに、少年をじろじろと見た。
「……こいつが? そんな穢れも感じんが」
『鬼全てが穢れているわけではないです。現にわたくしだって鬼ですが、穢れていないでしょう?』
えへん、と胸を張る毛玉だが、惟道は冷たい目を向けた。
「お前は元々封じられていたのだろ。そういう悪さをするのが鬼なのではないか」
『確かに悪戯好きではありましたけども! そしてやっぱり負の要素は大きいですけども! 害のない鬼だっているんですからねっ』
「だがこいつは明らかに害のあるものではないか。物の怪を狩り、章親を襲おうなど、俺の中にあった鬼のようなものだ。穢れがないなどあり得るか」
獲物全てに食らいついていた人食い鬼と比べれば、おそらく怪我だけで済んでいる今回は大分ましなのだが、何せ章親に襲い掛かったのである。惟道にとってはそれだけで重罪だ。
そしてそれは魔﨡も同じこと。再び錫杖を振り上げる。
「惟道の言う通りぞ! 鬼だろうが人だろうが、章親に害なすものなど万死に値する!」
「ちょっと待ってって! まだいろいろ背景がわかってないんだから、下手に滅多打ちにしないでよ!」
問答無用で少年を成敗しようとする魔﨡を、章親が慌てて止める。少年よりも魔﨡を拘束しておいたほうがいいかもしれない。
思わず章親が思い切り後ずさる。鬼、と聞くとどうしても以前散々な目に遭った人食い鬼のことが頭にあるため、恐怖が先に立つ。だが惟道は少し訝しそうに、少年をじろじろと見た。
「……こいつが? そんな穢れも感じんが」
『鬼全てが穢れているわけではないです。現にわたくしだって鬼ですが、穢れていないでしょう?』
えへん、と胸を張る毛玉だが、惟道は冷たい目を向けた。
「お前は元々封じられていたのだろ。そういう悪さをするのが鬼なのではないか」
『確かに悪戯好きではありましたけども! そしてやっぱり負の要素は大きいですけども! 害のない鬼だっているんですからねっ』
「だがこいつは明らかに害のあるものではないか。物の怪を狩り、章親を襲おうなど、俺の中にあった鬼のようなものだ。穢れがないなどあり得るか」
獲物全てに食らいついていた人食い鬼と比べれば、おそらく怪我だけで済んでいる今回は大分ましなのだが、何せ章親に襲い掛かったのである。惟道にとってはそれだけで重罪だ。
そしてそれは魔﨡も同じこと。再び錫杖を振り上げる。
「惟道の言う通りぞ! 鬼だろうが人だろうが、章親に害なすものなど万死に値する!」
「ちょっと待ってって! まだいろいろ背景がわかってないんだから、下手に滅多打ちにしないでよ!」
問答無用で少年を成敗しようとする魔﨡を、章親が慌てて止める。少年よりも魔﨡を拘束しておいたほうがいいかもしれない。