あやかしあやなし
「もしかして、君は鬼としての能力は、そうないんじゃない? でも人とも少し違う形をしてて、だから……どっちにも受け入れられなかったんじゃ……」

 章親の指摘に、鬼っ子は少しだけ、ぎっと視線を上げた。

「半端者ってことか」

「うるさいっ!」

 章親の言ったことにも文句を言いたいところなのだろうが、生憎章親に噛み付けば、何だか恐ろしい目に遭うようだ。なので鬼っ子は惟道に食って掛かった。

「お前ら人なんて、ちょっと異形だからって人間扱いしやがらねぇ。同じ姿かたちから一歩でも外れれば、もう仲間じゃないんだろ!」

「人は異質なものを嫌うものだ。姿かたちが同じであっても、俺のようなものは気味悪がられる」

 言葉を挟んだ惟道に、え、と鬼っ子が彼を見た。

「お前も異形なのか?」

「何を聞いている。姿かたちは同じだ。見ればわかろう」

 冷たい目で、ばっさり斬る。別に惟道は鬼っ子に歩み寄るために己のことを出したわけではないので、必要以上に説明もしない。
 いや、必要な説明もしない、というほうが正しい。鬼っ子は訳がわからず、困った顔した。

「えっとね、惟道もちょっと特殊でね。だから君のことも理解できると思うんだ。僕もこういう仕事だし、異形のものとの触れ合いは人よりあるよ。この毛玉だってこんなだけど、友達なんだ。だからね、君のこと、教えてくれないかな」

 優しく章親が声をかける。じと、としばらく章親を見ていた鬼っ子だが、何だか早く答えろ、という圧を彼以外からひしひしと感じる。それに一番話しやすそうなのは確かだ。
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