あやかしあやなし
「その人は、たまたま河原で会ったんだ。川に向かって妙な術を投げているから、おいらと同じ、人じゃないのかと思って話しかけたんだけど」

 人外が最も避けるべき陰陽師だったのだと言う。だがこの青年のほうは鬼っ子に興味を持ったらしい。

「何だか話を聞いてくれるし、他の奴らと違って馬鹿にしたりしないから仲良くなったんだ。で、おいらが人から捨てられて、物の怪からも苛められてるって言ったら、お前の力はそんなもんじゃないって。鬼の血が確かに入ってるんだから、その気になれば誰よりも強いって。悔しかったらもっともっと妖力を強くして、復讐してやれって」

「だから物の怪を狩ってたの?」

 章親の問いに、鬼っ子は、こくんと頷いた。

「狩るっていってもおいら、何の力があるわけでもないからできないって言ったら、手伝ってやるって、この人が物の怪を見かけたら術を仕掛けたんだ。強い物の怪を取り込めば、おいらも強くなれるって言って、強い物の怪を探してたんだよ。そしたらこの前、烏天狗を見つけてさ。あれを捕まえようって、必死に追いかけたんだ」

 だから烏鷺の怪我が一際酷かったわけか。今までの物の怪は術を一発食らうぐらいだったのかもしれないが、烏鷺は捕まえようとされたため執拗に追われた。
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