あやかしあやなし
どうやら気位だけは高いらしい。懐から扇を取り出すと、猫でも追い払うように、しっしっと惟道の顔の前で振ってみせた。
「吉平様、此度のことは反省しております。ですがそれも勉強のため、腕を磨くための訓練でございますれば。何事も、実践に勝るものはありませんので」
吉平に向かって、深々と頭を下げる。
「……まあ、一理あるがな」
渋い顔で、吉平が呟いた。
「左様でございましょうとも。物の怪など、所詮は下等なものなのですから、術の試し打ちに使って何の罪がありましょう。むしろそれぐらいしか、人の役に立たぬ者どもです」
「貴様はどれほど役に立つ人間なのだ」
吉平の同意を得られたことで調子づいた青年の言葉尻に被る勢いで、惟道が口を挟んだ。しかもいつの間にか片膝立ちである。
「ものの役に立つことなど、人だとてそうあるまい。人も物の怪も似たようなものぞ。むしろ人のほうが害がある。貴様のような者がいい例ではないか」
「なっ……! 何ということを言うのだ。雑色のくせに、無礼にも程があるぞ!」
「雛を瀕死にまでしておいて、無礼なのはそちらだ! 人に害なすでもない無害な物の怪を狩りまくるなど、貴様なんぞ百害あって一利なしではないか! 貴様こそ滅せられるべき存在だ!」
言うなり惟道は、魔﨡から錫杖を奪った。誰かが止める間もなく、そのまま横凪ぎに払う。
「吉平様、此度のことは反省しております。ですがそれも勉強のため、腕を磨くための訓練でございますれば。何事も、実践に勝るものはありませんので」
吉平に向かって、深々と頭を下げる。
「……まあ、一理あるがな」
渋い顔で、吉平が呟いた。
「左様でございましょうとも。物の怪など、所詮は下等なものなのですから、術の試し打ちに使って何の罪がありましょう。むしろそれぐらいしか、人の役に立たぬ者どもです」
「貴様はどれほど役に立つ人間なのだ」
吉平の同意を得られたことで調子づいた青年の言葉尻に被る勢いで、惟道が口を挟んだ。しかもいつの間にか片膝立ちである。
「ものの役に立つことなど、人だとてそうあるまい。人も物の怪も似たようなものぞ。むしろ人のほうが害がある。貴様のような者がいい例ではないか」
「なっ……! 何ということを言うのだ。雑色のくせに、無礼にも程があるぞ!」
「雛を瀕死にまでしておいて、無礼なのはそちらだ! 人に害なすでもない無害な物の怪を狩りまくるなど、貴様なんぞ百害あって一利なしではないか! 貴様こそ滅せられるべき存在だ!」
言うなり惟道は、魔﨡から錫杖を奪った。誰かが止める間もなく、そのまま横凪ぎに払う。