あやかしあやなし
「何とまぁ、大江山の鬼の子か。これはまた、面白いものを連れ帰ってきたのぅ」
帰りついた寺で、事情を聞いた和尚は、いつものようにからからと笑って鬼っ子を受け入れた。
『でも和尚さん。こ奴は此度の物の怪狩りの元凶なのでは?』
鴆が、じろりと鬼っ子を見て言う。普段からここに集う物の怪の大半は、京の中心まで行くことは稀なので、京で物の怪狩りがあってもさほど影響はないのだが、鴆のような妖鳥は下手に京の上を飛ぶと罠にかかって落ちることもあるので、結構な被害を被っていたのだ。
『物の怪狩りをやってた奴をこの寺に連れてくるなんて、罰してくださいって言ってるようなものだよ』
『そういうこと? 我らの餌になるために寄越されたってことかな?』
鴆に同調した物の怪たちが、じり、と鬼っ子との距離を詰める。皆、特に武器を手にしているわけではないが、そもそもの姿が人と違うのだ。素手であってもその爪は鋭い鉤爪だし、立派な牙があるものもいる。
鬼っ子は震え上がった。そもそもこのように、ほぼ人がいない状況など初めてのことだ。助けを求めるように惟道を見る。
が、その惟道も積極的に庇ってくれる気はないようだ。能面のまま、前を向いている。
「元凶……とは言えぬじゃろ。まぁこ奴にも物の怪を害する気がなかったわけではなかろうが。何もそれは物の怪だけに限ったことではない。人に対してだって同じではないか?」
周りに漲る殺気など微塵も感じていないように、和尚はのんびりと顎髭をしごく。
帰りついた寺で、事情を聞いた和尚は、いつものようにからからと笑って鬼っ子を受け入れた。
『でも和尚さん。こ奴は此度の物の怪狩りの元凶なのでは?』
鴆が、じろりと鬼っ子を見て言う。普段からここに集う物の怪の大半は、京の中心まで行くことは稀なので、京で物の怪狩りがあってもさほど影響はないのだが、鴆のような妖鳥は下手に京の上を飛ぶと罠にかかって落ちることもあるので、結構な被害を被っていたのだ。
『物の怪狩りをやってた奴をこの寺に連れてくるなんて、罰してくださいって言ってるようなものだよ』
『そういうこと? 我らの餌になるために寄越されたってことかな?』
鴆に同調した物の怪たちが、じり、と鬼っ子との距離を詰める。皆、特に武器を手にしているわけではないが、そもそもの姿が人と違うのだ。素手であってもその爪は鋭い鉤爪だし、立派な牙があるものもいる。
鬼っ子は震え上がった。そもそもこのように、ほぼ人がいない状況など初めてのことだ。助けを求めるように惟道を見る。
が、その惟道も積極的に庇ってくれる気はないようだ。能面のまま、前を向いている。
「元凶……とは言えぬじゃろ。まぁこ奴にも物の怪を害する気がなかったわけではなかろうが。何もそれは物の怪だけに限ったことではない。人に対してだって同じではないか?」
周りに漲る殺気など微塵も感じていないように、和尚はのんびりと顎髭をしごく。