惚れたら最後。
「こんなにたくさん……ありがとうございます。でも、なんで?」

「いやぁ、かわいい2人にオネダリされたら買うしかなくって」



「欲しいもの全部用意しちゃった」と照れながら笑顔の憂雅さん。

一方で私は真顔で子どもたちを見つめていた。



「……琥珀、怒んないでよ。
だって、おれたちがかわいいから仕方ないじゃん?」

「もらえるものはもらっておかないと。ねー?」



かわいさという武器を最大限利用して欲しいものを手に入れるなんて。

ふたりのしたたかさにため息をついた。



「はぁ、(ママ)の教育の賜物ね」



『自立が無理なら長いものには巻かれろ』がモットーだった夢を思い出した。

夢……あんたのしたたかさはしっかり子どもたちに受け継がれてるよ。

ちゃっかりしている子どもたちに感心する一方で、カモにされているような憂雅さんが不憫に思えてきた。

あまりの子煩悩ぶりにこの男本当にヤクザか?と疑いの目を向けてしまった。
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