惚れたら最後。
「よかったな、さっそく友達できて」

「うん、かわいい子だった」



帰り際、拓海さんが笑いかけてきた。

拓海さんの車の助手席に座りながら、ふふっと嬉しそうに笑ってしまった。



「……てか琥珀、大学入る意味あったのか?」

「なんで?」

「ほら、お前が睨んでた政治家のやつ、半グレを引きずり出したおかげで芋づる式に捕まっただろ?」



実は私がとっ捕まえようと思っていた悪どい政治家は、半グレと癒着があったことが世間に晒され捕まった。

つまりこの大学に通う理由は特にない。



「いいじゃん、私は普通にキャンパスライフ送りたいの。
まともに学校行ってなかったから楽しみだったんだよね」

「そっか、なら4年間精一杯楽しみな。
つーことは、孫の顔を見るのはまだ先ってことかぁ」

「……は?孫!?」



楽しみだといって鼻歌を歌っていたけど、拓海さんの発言に大声を発してしまった。



「だって俺は琥珀の保護者だから、琥珀の子どもは俺にとっちゃ孫みてえなもんだろ。
お前らの子は玉のようにかわいいだろうな」



なにか反論しようと思ったけど、拓海さんがいい笑顔をするものだから言葉にならなかった。



「拓海さんがおじいちゃんなら、夢がおばあちゃんだね」

「……はは、そうだな」



そう言うと拓海さんは一瞬顔を強ばらせ、喋るのをやめた。

不自然に思った私は、とうとう聞いてしまった。



「ねえ、拓海さん」

「ん?」

「拓海さんって夢のこと好きだったでしょ」
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