惚れたら最後。
「あー……」



引きつった笑みを口元に残して目を泳がす拓海さん。



「いや、そうだよな。うん……いつか聞かれるとは思ってた」



ハンドルを握ってまっすぐ前を見ながら独り言のように呟く。



「ごめん、答えたくなかったら言わなくていいよ」

「いや、言う……全部さ、俺のエゴなんだよ。
夢の恋心を利用して情報屋の仕事を押しつけた。
万が一俺が表の世界で失敗した時の保険として、夢には情報屋として生きてもらうことにした」

「……」

「だからバチが当たったんだろうな。
ちゃんと向き合おうと思った矢先、夢が死んだ」



ふうぅ、とため息をつく拓海さんは平気なフリをして瞳が揺れている。



「てっきりあいつ、俺より長生きすると思ってたのに。
あーあ、会いてえなぁ」



赤信号で停まった車内の中が気まずい。

自分をあざ笑うかのような拓海さんの乾いた笑いが響く。

そんな顔をさせるくらいなら聞かなきゃ良かったと思った。



「私だって会いたい」



その反面、思っていたことが口に出た。
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