惚れたら最後。
「……だよな。辛気臭い話してごめんな?」

「いや、聞けてよかった。拓海さんと夢のこと、ずっと気になってたから」

「そっか」

「夢はさ、悔しかったと思うんだ。
もっと生きたかっただろうし、私たちともっと一緒にいたかったと思う。
だから拓海さんは最後まで私たちのこと見守ってよね」



下を向いて拓海さんにお願いをしたら、なぜか泣きそうになってしまった。

こんな泣きそうな顔じゃ顔が見れない。

ぐっと拳を握りしめていたら、拓海さんはぽんぽんと頭をなでてきた。



「ありがとな、琥珀。
もちろん後見人としてしっかり見守るつもりだけど、途中で放棄なんてしたら怒られそうだ」

「うん、手紙に『あたしのかわいい琥珀を苦しめる輩は祟ってやる』って書いてあった」

「おー、怖っ」



拓海さんは言葉と反して笑顔だ。

その笑顔をもう負の感情が残っていない。

安心して拓海さんから視線を外して、絆に「あと10分くらいで家に帰るよ」と送った。
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