君をトリコにする方法
またドキドキし始めた心臓を落ち着かせて、差し出された手をぎゅっと握る。



「……手、大きいね」



昔は私と同じくらいだったのに。

いつの間にかこんなに差がついてしまった。



「そりゃ成長してますから」

「……うん」



私は女で瞬は男だから、どうしても追いつけない部分がある。


それがやっぱり寂しいと感じてしまうけれど、この手の温かさは変わらないから。



「あ、そういえば今日はどこ行くの?」

「水族館」

「えっ、ほんと!?ずっと行きたかったから嬉しい!」



やったー!と喜んでいると、ふふっと笑われる。



「知ってる。でも足痛くなったらすぐ言えよ」

「大丈夫だよー!すっごく元気だし!」



それに、私が水族館に行きたいって話してたのを覚えててくれたのも嬉しいし!


幸せな気持ちがいっぱいで、怪我だって治っちゃいそうだ。


そんなことを考えていると、瞬がぐいっと距離を詰めてきて低く囁いた。



「あんまはしゃぐとキスすんぞ」

「へっ……!?」



びっくりして動きを止めると、瞬がくすっと笑った。



「静かになった」

「な、ず、ずるいよっ、そんな方法……!」



心配してくれるのは嬉しいけど、毎回そんな風にされたら寿命が縮んじゃう……!


ドキドキしたり笑ったり、ちょっと切なくなったり。


水族館までの道のりは、今までとは少し違ったものになった。
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