君をトリコにする方法
着いていちばんに目に入ったのは、背の低い水槽に磯場みたいなゴツゴツとした石だった。


子どもたちもたくさんいて、きゃーきゃー言いながら楽しそうに水槽に手を伸ばしてる。


私たちは看板の案内の通り、手を洗って水槽へ近づきしゃがむ。


中にはナマコやヒトデ、ウニなどたくさんの生き物がいた。



「わあ~、これ全部触れるの?不思議な感じするね」

「確かに。あんま触る機会なんてないしな」



身近に感じる生き物だけど、実際にこうして動いているのを見るのは初めてかもしれない。


ちょっと緊張しながら水槽に手を入れて、そーっとナマコに触れてみる。



「わーっ、なんかざらざらしてる……!」



ざらざらぷにぷに、なんか変な感じだ。



「触るとこんな感触なんだな」


「うん、すごいね!でも私、もう満足しちゃったかも」


「は?早くない?」


「いやあ、だってなんか、触れたからいっかってなっちゃったというか……」



怪訝な顔で見てくる瞬から目をそらすと、「ふーん」と意味深にこぼす。



「怖いんだ?」

「えっ!?ち、ちがうよ、怖くない」



ぶんぶんと首を振って否定すると、ははっと笑われた。



「希帆、わかりやすすぎ」

「えっ!うそ、なんで!?」



驚いて声が大きくなってしまう。

だってまさかバレてるなんて思わないし……!
< 49 / 189 >

この作品をシェア

pagetop