ハツコイぽっちゃり物語

「あ、恋も大福食べるでしょ?もうさぁ千桜ったらこの箱全部食べ切るつもりだったらしくて」



席に戻ってきたお姉ちゃんが恋ちゃんに向かってそんなことを言う。
座って、とテーブルをペシッと叩いて促すと恋ちゃんは私の隣に座った。


……いや、私なに今ドキッとしてるの!?


いつも通りじゃん。そういつも通り。
毎年私の隣……というか指定席のように座ってるんだから何もドキッとする場面じゃないじゃん。


拒否権すらなく座らさせられ、差し出された大福を受け取るとひと口かじった。


恋ちゃんは美味しいものを食べると必ず無言になるのをよく知っている。
それがまさに今だ。
そして食べ終わると――。



「はい、千桜」



食べかけの大福を差し出す上、私に食べさせようと口元に近づけてくるんだ。


そう、“いつも”ならそのままパクリと口の中に入れてしまうんだけど……ね。

今回は、受け取って自分で食べた。

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