ハツコイぽっちゃり物語

「何人かと付き合ったけど全然キュンもピンも来なかったんだけどさ、……唯一ひとりだけいたんだよね」



急にとろけそうな顔をした彼女はまさに恋をしたそれで。なんだか羨ましかった。
幸せそうだ。


『唯一ひとりだけ』


それは旦那さんである愛お兄ちゃん。そして幼馴染でもある人だ。



「そのとき思ったんだよね。幼馴染って色んなカタチがあると思うんだけど、私たちの場合、男友達のひとりみたいで何しててもなんだかんだいって気付けば隣にいるからさ。全然気付かないんだよ。……運命の人って意外と思っていた以上に近くにいるってことに」



私と目が合うとニコッと笑った。


……運命の人、か。
私にとっての運命の人は……葵生先輩……?



「お姉ちゃん、どうして愛お兄ちゃんが運命の人だと思ったの?」



どんな方法で分かったのか知りたい。
好きだけじゃダメなの?



「んとね、一番はどんな私でも受け入れてくれるところ、かな」

「え、それだけで?」

「そ」



たったその1文字の肯定だけで十分伝わった。
でも最後に思い出したように言ったのは「愛斗の優しすぎるところ」だと言った。

< 130 / 200 >

この作品をシェア

pagetop