Gypsophila(カスミ草)~フラれ女子番外編


医師団の全力のサポートもなされ、少数でもかなり高位の貴族がご懐妊を祝福した。

そして、一番の功労者はなんと言っても王太子殿下だろう。次の王位を約束された彼が、姉女王のご懐妊を祝福し安産を願うと発表されたんだ。そして、生まれた子は男女どちらでも次の王太子に指命すると宣言されたんだ。

この後押しはかなりでかかった。

五月蝿かった貴族議会も貴族どもも、黙るしかないだろう。むしろ、反対すれば女王と王太子……次の王太子という王家の直系の血すじに逆らうということになる。
ここで急速に流れが変わり、女王陛下や叔父さんにおべっかを使うやつらが増えた。
取り巻きなんてほぼいなかったのに、わらわらと群がる様は滑稽を通り越して、なんの喜劇だと言いたくなる。

「アホが多いよな……」
呆れたぼくの物言いに、アーベルは苦笑いする。
「仕方ないよ。みんなお家の浮沈がかかってるんだし。少しでも利のある方につくものだよ」

相変わらず穏やかなアーベルは、13歳の誕生日にマルガリータと婚約した……マリア、御愁傷様だね。

従妹のアーベルへの気持ちは知っていたが、マリア自身で動いたり何らかのアクションを起こさない限りは手助けするつもりはなかった。

まあ、事実。女公爵と決まっているマリアが、格下の伯爵夫人になれるはずもないんだけどね。

え、ぼくの恋愛?
まあ、ぼちぼちさ。
女王陛下への恋慕は消えてなかったし、他に気になる子もいなかった。だから、まあ見守るだけで満足って自己満足なことをしてたね。

数多の困難を乗り越え、やがて女王陛下のご出産の日を迎える。

この時ばかりは叔父さんがうろついて、姉であるぼくのお母様に「クマみたいにうろつかない!父親になるならどっしり構えなさい」と叱られてたのは笑ったけどね。


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