パトリツィア・ホテル
「いや、別に頭がいいとかじゃなくて、単に、こういうアトラクションがあったら素敵だろうな…って思ったことを言っただけなんだけどね」

「あらまぁ、あんたにしては珍しく、謙遜して」

「いや、珍しくってどういう……」

「それよりあんた。お坊ちゃんとはどこまでいってるの?」

「えっ……」


お母さんは期待に満ちた目を私に向けた。


「どこまでって、そりゃまぁ……」

「もしかして……付き合って、もうキスまでしちゃってる?」

「…………!」


私は図星のあまり、絶句した。

母親の勘ってやつなのか……お母さんは、私のこういうことに関しては勘が鋭い。


「えっ、うそ!? 本当に!?」

「いや、まだ何も言ってないじゃん」

「昔っからあんたのその顔は、『その通り』って言ってるようなものよ」

「う〜〜」


私はやっぱり、お母さんに敵わない。

そんなことを思って、溜息を吐いた。



「それならあんた。新宮のお坊ちゃんを家に連れて来なさいよ」

「えっ、家って、この汚くて狭い家に!?」


私は自分が赤ちゃんの時に建造されたという我が家を見渡した。


「まぁ、汚くて狭いだなんて、失礼ね。愛しのマイホームじゃない」


お母さんは頬を膨らませた。
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