パトリツィア・ホテル
「でも本当に、新宮くんをこんな家に連れてきてどうするつもりなのよ?」


私は何処からどう見ても、所謂『庶民の家』である自分の部屋を見回して眉をひそめた。


「そりゃあ、あんた。こんな不束な娘ですがよろしくお願いしますって、頼み込むんじゃない」

「はぁ? 不束な娘って……どうしてもう、新宮くんと私がくっつくって決めて……」

「くっつかないでどうすんの! あんた、これ、最高の玉の輿なのよ。折角、乗りかかった舟なんだし、ここまで来たら無理矢理にでも乗り込みなさい! そうよ。こういうことは早い方がいいわ。今日よ! 何としてでも今日、連れて来なさい」

「今日!? いや、そんな強引な……」

「そうと決まれば、あんたはさっさと彼の待つ学校に行きなさい。私はこれから、この家の大掃除で大忙しなんだから」


強烈な我が母の恐ろしいほどの勢いに圧倒されて。

私は有無を言わさず、早速今日、新宮くんを自分の家に連れて来て、紹介することになってしまった。
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