パトリツィア・ホテル
*
「咲ちゃんの家!? 行きたい! めっちゃ、行ってみたい」
新宮くんに話すと、彼はまるで子供のように瞳をキラキラと輝かせて食いついてきた。
「でも、本当に大丈夫?」
「何が?」
「だって、私の家なんて……ゆうちゃんの家とは全然違って、小さいし、狭いし、庶民の家で。それに、お母さんなんて、ただのパンチの効いたおばさんだし」
すると、彼の瞳は星が瞬いているかのように、さらに輝いた。
「いいじゃん! 憧れるよ、そういうの」
「えっ?」
憧れる?
私の話のどこに、イケメン御曹司様が憧れる要素があるんだろう……
そう、口にしようとした時だった。
「だって、俺。咲ちゃんみたいに、パワフルなお母さん、いないからさ」
「えっ、あ……」
そうだ、すっかり忘れてた。
彼には、お母さんがいなかったんだ。
「そう。あの、やたらでっかい家に帰っても、お父さんもいっつも忙しくしてていないから。だから、ずっと、憧れてたんだ、そういうの」
そう言う新宮くんは笑顔だったけれど、その奥に耐えきれないほどの寂しさを隠しているのが分かった。
そんな彼の、悲しいほどに綺麗な笑顔が私の胸に刺さって……だから私は、彼の寂しさを吹き飛ばすくらいに元気な声を出した。
「咲ちゃんの家!? 行きたい! めっちゃ、行ってみたい」
新宮くんに話すと、彼はまるで子供のように瞳をキラキラと輝かせて食いついてきた。
「でも、本当に大丈夫?」
「何が?」
「だって、私の家なんて……ゆうちゃんの家とは全然違って、小さいし、狭いし、庶民の家で。それに、お母さんなんて、ただのパンチの効いたおばさんだし」
すると、彼の瞳は星が瞬いているかのように、さらに輝いた。
「いいじゃん! 憧れるよ、そういうの」
「えっ?」
憧れる?
私の話のどこに、イケメン御曹司様が憧れる要素があるんだろう……
そう、口にしようとした時だった。
「だって、俺。咲ちゃんみたいに、パワフルなお母さん、いないからさ」
「えっ、あ……」
そうだ、すっかり忘れてた。
彼には、お母さんがいなかったんだ。
「そう。あの、やたらでっかい家に帰っても、お父さんもいっつも忙しくしてていないから。だから、ずっと、憧れてたんだ、そういうの」
そう言う新宮くんは笑顔だったけれど、その奥に耐えきれないほどの寂しさを隠しているのが分かった。
そんな彼の、悲しいほどに綺麗な笑顔が私の胸に刺さって……だから私は、彼の寂しさを吹き飛ばすくらいに元気な声を出した。