パトリツィア・ホテル
*
一緒の夕食を終えて、私は新宮くんを駅まで見送ることになった。
だって、玄関までお見送りをして彼との別れを惜しんでいたお母さんが、「新宮のお坊ちゃんは可愛いし、襲われでもしたら大変じゃない。咲、送って行きなさい」って……
完全に、男子と女子の立場、逆転してるし!
まぁ、別にいいんだけど……。
そんなことを考えて溜息を吐いていると、新宮くんの弾んだ声が聞こえた。
「咲ちゃんの家、すっごく楽しかった! お母さんも面白いし、温かくて……俺、本当に感動した!」
隣を歩く彼は、とっても嬉しそうに目を輝かせてはしゃいでいた。
「感動したって……そこまで?」
私にとっては全然普通の、パンチの効いたお母さんがいる、うるさい家庭なんだけど……。
そんなことを考えて不思議な気分になっている私に、新宮くんは屈託のない笑顔を向けた。
「うん! だって、俺……あんな元気で素敵なお母さんがいて、すっごく美味しいお料理を出してくれる。咲ちゃんの家みたいな家庭に生まれたかったって、ずっと思ってたんだもん」
そうだ……私にとって普通のことが、ゆうちゃんにとっては、全然、普通じゃなかったんだ。
彼の言葉で改めてそのことを実感した私は……純な笑顔を見せながら私の隣を歩く彼が切なくて。
だけれども、とても愛しくなった。
一緒の夕食を終えて、私は新宮くんを駅まで見送ることになった。
だって、玄関までお見送りをして彼との別れを惜しんでいたお母さんが、「新宮のお坊ちゃんは可愛いし、襲われでもしたら大変じゃない。咲、送って行きなさい」って……
完全に、男子と女子の立場、逆転してるし!
まぁ、別にいいんだけど……。
そんなことを考えて溜息を吐いていると、新宮くんの弾んだ声が聞こえた。
「咲ちゃんの家、すっごく楽しかった! お母さんも面白いし、温かくて……俺、本当に感動した!」
隣を歩く彼は、とっても嬉しそうに目を輝かせてはしゃいでいた。
「感動したって……そこまで?」
私にとっては全然普通の、パンチの効いたお母さんがいる、うるさい家庭なんだけど……。
そんなことを考えて不思議な気分になっている私に、新宮くんは屈託のない笑顔を向けた。
「うん! だって、俺……あんな元気で素敵なお母さんがいて、すっごく美味しいお料理を出してくれる。咲ちゃんの家みたいな家庭に生まれたかったって、ずっと思ってたんだもん」
そうだ……私にとって普通のことが、ゆうちゃんにとっては、全然、普通じゃなかったんだ。
彼の言葉で改めてそのことを実感した私は……純な笑顔を見せながら私の隣を歩く彼が切なくて。
だけれども、とても愛しくなった。