パトリツィア・ホテル




「う〜、やっぱり、一人で地道に頑張るしかないかな。ゆうちゃんも自分の勉強があるだろうし、迷惑ばかりもかけてられない」


自分の部屋で、私は邪念を捨ててひたすらに教科書と向かい合った。

そう……私はやればできる子。

何てったって、中学時代に勉強に勉強を重ねて、この彩林館学園合格を勝ち取ったんだから!


それに、この期末試験さえ終わればついに、初彼氏ができて初めての夏休み。

きっと、楽しくて仕方のない、キラキラと光り輝くバケーションが待っているはず……

という夢を胸に、私はどうにか、一晩ほぼ徹夜の勉強で数学の試験範囲を理解することができたのだった。





期末試験期間が始まった。

周りはみんな、友達と試験問題を出し合ったり、語呂合わせの確認をしたり。


「みんな、すごい勉強してる。ヤバいな〜……」

「よっ、咲。調子はどう?」


周りを見て焦っている私に、余裕の様子の朱里がニッと白い歯を見せた。


「ヤバいよ、焦る〜。って、あんたはどうなのよ?」


中間試験の時点では、朱里の成績も私とそう変わらなかったはずだけど。
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