パトリツィア・ホテル
「くっ……マジかよ」

「高石のやつ、どんだけドSなんだ」


クラス中からそんな声が上がって、だけれどもみんな、机の上の問題用紙に渋々向かい合っていた。

私は落ち着いて、問題を眺めてみた。

確かに、問題集では見たことないし、解き方のパターンも載っていなかった。

だけれども……ゆっくり、落ち着いて考えたら解けないことはない!

私は深呼吸してシャーペンを持ち、その三角関数の問題を解き始めた。





「う〜、高石のやつ、ひどい。まぁ、ダーリンのおかげでどうにかギリで六十点はいってると思うけど……」

テスト後、朱里が頬を膨らませてブーブーと言っていた。

他のみんなも、プンプンと不満そうにしている。

「で、あんたはどうだった、咲?」

「私? 私はどうにか、うめるだけは全部うめたかな」

「え、マジで? あんなの、全部解けたの?」

「うーん、合っている自信はないけど、どうにかうめるだけはうめたかな」

「ハァー、マジか。人気アトラクションの発案者様は、やっぱり頭の構造も違うんだなぁ」

「いや、ホント、うめたってだけだから。全然、合ってる自信ないし」

そう。数学の問題を考えているうちに時間の経つのを忘れて。

いつのまにか、最後の問題まで全部答えをうめた直後に試験終了のベルが鳴ったって感じだったのだ。
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