パトリツィア・ホテル
翌日もいつも通りの陽が青空から射していて……寝不足の私はフラフラと学校に向かっていた。

結局、私は前日、いつまでたっても眠りの世界にいざなわれなかった。

新宮くんへの返事どころか、今日……どんな顔をして彼に会えば良いのかさえ分からず、お化粧のノリも悪くて、ほぼすっぴんの酷い状態だった。



校門の辺りに差し掛かった頃。


「おはよ! 咲ちゃん!」

「キャッ!」


不意に背中を叩かれて、私はよろけた。

振り返ると……私をこんなにフラフラにした張本人が悪戯っ子の笑みを浮かべていた。


「何、どうしたの? 疲れきった顔をして」


彼はほぼすっぴんの私の顔を見てクスッと笑った。


「あなたねぇ……」


私は腰に手をやって目を瞑った。


「誰のせいで……」

「取り敢えず! 今日も昼休み、いつもの教室でな! 春の遠足の場所は決まったにせよ、細々としたことはホームルームで決めないといけないし!」

「え、えぇ……」


今日、どんな顔で会えばよいのか悩んでいた私は……結局、彼のペースに乗せられて、いつも通りに彼と話すこととなった。

意識してか、せずか……それは分からないが、彼は私の緊張を完全に拭い去ってくれたのだった。
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