パトリツィア・ホテル
ホームルームの時間になった。


「それでは、今日のホームルームを始めて下さい」


ななちゃん先生がにっこりと白い歯を見せて私達を教壇に促した。


「はい。二週間後の春の遠足ですが、パトリツィア・ランドの貸切を許可してもらえました。ですので、このクラス……C組は遠足の日は一日、ランド内のアトラクションを自由に使えることになります」

「うそっ、マジで!?」

「すっげぇ!」


私が報告した途端に教室内が歓喜の声でざわついた。

そりゃあ、そうだ。

だって、パトリツィア・ランドを貸し切るなんて夢のような話……誰もが期待に胸を膨らませるに決まっている。


「流石は新宮! 持つべきものは御曹司のクラスメイトだな!」


そんな、喜びの声が聞こえてきた時だった。


「いいえ。今回、パトリツィア・ランドを貸し切ってもらうことができたのは、咲ちゃ……島崎さんのおかげなのです」


新宮くんが嬉しそうに……だけど凛とした声で話し始めて、またクラスがざわついた。

そんなみんなの前で、新宮くんは真剣な顔で続けた。


「島崎さんはパトリツィア・ランドの社長……僕のお父さんが出した、貸切のための交換条件に、社長の期待以上に応えてくれた。だから、社長は喜んで貸切を許可してくれたんです」

「交換条件?」


クラスメイト達はその言葉に首を傾げた。
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