パトリツィア・ホテル
でも……

(私は気付いてたよ。あんたが一番可愛いって)

朱里の言葉を思い出した。


私も少しは、自信を持っていい……のかも知れない。



今日も新宮くんと一緒に帰った。

まだ付き合ってはないけれど、もう、これが習慣になっていた。

面白くない顔をしていた女子達も、新宮くんが一緒だともう何も言わなくなっていて。

それに、大部分の女子達も羨ましがってはいたけれど、寧ろ私達のこの関係を好意的に捉えてくれているということが分かって……私は、胸につかえていた後ろめたさが取れたような気がした。


「クラスメイトのみんなも、喜んでたし! 本当に楽しみだよな!」

「う、うん……」


白い歯を見せる新宮くんはとても爽やかでキラキラしていて。

私はまた、ドキドキした。

このドキドキって、好きってこと?

私は……今まで人を好きになったことがなくて。

自分で自分の感情が分からなかった。



「でもさ、咲ちゃんって、ホント小さい頃から何も変わらないよな」

「えっ、小さい頃から……それって、どういう意味よ?」

「小さい頃からしっかりしていて、頼りになって、可愛かったって意味だよ」


新宮くんはそう言って、にっこりと笑った。
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