パトリツィア・ホテル
それは、私がこの『Story Maker』の中で体験したこと全てで……私は胸の奥に痛いものが込み上げるほどに感動したのだ。

だけれども……


「ちょっと、この、私が海賊を踏んづけてドヤ顔をしてる写真……こんなの、載せなくていいじゃない」


私はそのチョイスに異議を唱えた。


「いやいや、そりゃあそれがメインだったんだから、それを載せるしかないんじゃない?」


新宮くんはそう言いながら、必死で笑いを堪えている。


「楽しかったけど、何だか、悪意を感じる……」

「どうして? めっちゃカッコいいサキ王子じゃない」

「私は王子じゃなくて姫!」


そんなやりとりをしていると、楽しげにお話をしている朱理と絹川くんのペアと目が合った。


「あ、朱理。そっちも終わったんだ?」

「ええ。あ、咲達の物語も見せて!」

「うん、いいけど……その代わり、そっちの物語もね」

「ええ、もちろん!」


あれ、朱理って、「ええ」なんて返事をするキャラだったっけ……と思いながら、本を交換してみた。


「すごい……」


朱理達の物語を読んだ私の口から、ついその言葉が漏れた。

二人が選んだのはお城コースだったみたいだけど、朱理……完全に姫様だ。

というか、完璧に本性を隠してる。
< 88 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop